2015年03月16日

【RoM】暗礁の胸騒ぎ・異聞 F

※ 諸 注 意 ※
この文章はRunes of Magic 5章プロットクエスト『暗礁の胸騒ぎ』のメルディンツンドラ以降のクエストを日本語訳(意訳)し、独自の解釈を加えて物語風にまとめてみた、いわゆる妄想の産物です。実際の内容とはかけ離れている事も多々ありますので、その点留意された上でご一読頂ければ幸いです。尚、性質上ネタバレを含みますのでご注意下さい。




7.記憶

MerP009.jpg
どろどろに溶けた溶岩が蜘蛛の巣のように、縦横無尽に流れている。分断された大地が赤黒い地肌を露出させ、かつてそこを彩っていた草木は消炭と化し、生物の気配はもはや感じられない。
この不毛な大地に─であるからこそ─一つの影が降り立っていた。
ゆらゆらと燃えている光に照らされ、影は次第にその輪郭を取り戻していく。
全身を板のような鱗に覆われた巨大な体、空を覆うように広がる2枚の羽。神話では何度も登場するが、竜の実物を見たのはこれが初めてであった。
竜は私をその背中に乗せ、空高く舞い上がった。瞬く間に離れていく大地を見ながら、私はある考えを巡らせていた。
この出会いが無かったら、私は今頃どこで何をしていただろうか

突然、場面が切り替わった。
周囲は闇に閉ざされ、自分の姿さえ確認することができない。先程とは逆に、どこまでも落ちていくような感覚が全身を支配する。
体を動かそうともがいてみたが、手足は強張り、動くことさえままならないのである。
目だけを下に向けると、闇の中に微かに蠢く何かがあった。それは黒く変色した、人間の



「──気が付かれたようですね」

聞き覚えのある声がして、私は我に返った。
どうやら夢を見ていたらしい。
上体を起こし、毛布の裾を握りしめ、全身が汗でびっしょり濡れている。

「騎士様、もう3日も眠り続けていたのですよ」

目の前で心配そうに私を見つめる女性は、Alahna Dikatであった。
頭の中にかかっていた靄が少しずつ晴れていく。と同時に、自分が何故ここにいるのか、自分の身に何があったのかをゆっくりと思い出していた。





Kentiaruの奥地、ルーンの力で動く無人のゴーレムが跋扈するガーディアンキャンプ。魔力を受信するためだろうか、幾何学的な模様の建造物がそこかしこに建てられ、青い稲妻のような光が所々で迸っている。
私と、先導のSismondはゴーレムに見つからないよう山の裏手を通りながら、目的の場所へ向かっていた。

「──ここだ」

Sismondは立ち止まり、ゆっくりと右手を指さした。その指の先を辿ると、荒れた土塊の中に、小さな緑色の芽のようなものが見える。
これが聖樹の苗木なのだろうか。随分と簡単に見つかったものだ・・・
しかし苗木を取ろうと一歩近づいた瞬間、やはり事態は簡単ではなかったと気付かされる。

MerP010.jpg

突如として地面が盛り上がり、苗木を囲むように死体の山が現れた。そしてその中心部から、目に見えるほどの禍々しい瘴気が噴出し始めたのだ。私は思わず飛び退いたが、その様子を見てSismondは不敵な笑みを浮かべた。

「貴様の探していた物はここにある──しかし不幸なことに、この死体の山を触媒として、Madetorhにより強力な呪いがかけられているのだ。貴様に勇気があるならば、その死体の山を掻き分け、聖樹の苗木を手にするがいい」

Adamileが聖樹と交信できなくなったのはこの呪いの力に他ならないだろう。仮に、彼女達が聖樹を見つけたとしても、これでは迂闊に手を出すことは出来ない。
Sismondは、やはり、「私に」この苗木を拾わせようとしているのだ。

──今にして思えば、私はここで引き返すこともできたかもしれない。Alahna Dikatと連携して、イッチーニとともにこの呪いを解く方法を考えるという手段もあったと思う。
だが、私はあえてSismondの挑発に乗り、聖樹の苗木に手を伸ばしたのだ。それは私のプライドがそうさせたのかもしれないし、或いは──

そして、苗木を握りしめた瞬間。
掌に激痛が走った。痛みはそのまま茨のように腕を締め付け、肩、そして全身に引き裂くような苦痛が襲いかかる。

──そうだ、私は聖樹の苗木に触れたことでMaderothの呪いにかかり、そのまま死ぬはずだったのだ。苗木を取り囲む死体の山はそうして出来たに違いない。であれば、Sisimond、奴は──

遠のいていく意識の中で、微かにSismondの声が聞こえた気がする。

「・・・やはり、貴様はその力に抵抗し得るのか。貴様の体に流れる特別な血の力・・・吾輩は貴様のご機嫌を取る必要を常に考えなければならないな・・・HAHAHA・・・」







posted by こきび at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 暗礁の胸騒ぎ・異聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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