2015年04月20日

【RoM】暗礁の胸騒ぎ・異聞 H

※ 諸 注 意 ※
この文章はRunes of Magic 5章プロットクエスト『暗礁の胸騒ぎ』のメルディンツンドラ以降のクエストを日本語訳(意訳)し、独自の解釈を加えて物語風にまとめてみた、いわゆる妄想の産物です。実際の内容とはかけ離れている事も多々ありますので、その点留意された上でご一読頂ければ幸いです。尚、性質上ネタバレを含みますのでご注意下さい。




9.運動

「おかえりなさい・・・ふふ、いい運動になったでしょう?」

Nynkeは『運動』から戻ってきた私を見て満足そうに頷いた。

彼女が『運動』と称して私に依頼したのは、メルディンツンドラの氷河の上にのみ咲くという氷結晶の花を摘んでくるという内容であった。聖樹の苗木は呪いによるストレスのため栄養が不足しており、この花の持つ透明な力が有効に働くだろうとの事である。
私は体よくタダ働きさせられている気がしながらも『運動』をこなし、彼女に氷結晶の花を手渡した。

「ご苦労だったな、ドラゴン使節。・・・Nynke、こちらの準備はできている」

MerP012.jpg[Kadmos]

それまで沈黙を守り続けていたKadmosが不意に口を開いた。と同時に、彼の隆々とした体躯の影から、対照的に小さく可愛らしい少女が姿を表した。
Adamileである。
その両手にはしっかりと聖樹の苗木を抱きかかえている。
Nynkeは満足そうに頷くと、Adamileを手招きして自身の近くに呼び寄せた。

「オーケー、ありがとう。・・・それじゃAdamile、始めるわよ」

Adamileは言われるまま、おずおずと苗木を差し出した。Nynkeはその苗木の上で、私から受け取った氷結晶の花を握り締め、呪文のような言葉を呟いた。竜族の言語なのだろうか、エルフともドワーフとも異なる独特の唸り声のような響きが辺りに木霊する。そして、Nynkeの握った拳の隙間から、鮮やかな青い液体が光とともに迸り、聖樹の苗木に降りかかった。
すると液体に反応するように、苗木の内側から緑色に輝く粒状の光が発生し、周囲を覆い始めた。これは、以前AdamileがAlahna Dikatに使ってみせたフォースの力によく似ていたが、その規模は桁違いであった。

「──聖樹の苗木は本来の力を取り戻しました。
とても・・・素晴らしいことです。私は、非常に多くの紆余曲折を経て、ここまでたどり着きました。
苗木を取り戻してくれた騎士様、そしてSismond様。また、問題を解決するために力を貸していただいた竜族の皆さん。
あなた達は──本当に聖なる王の予言の使者です」

Adamileは深々と頭を下げ、感謝の言葉を述べた。
──その中にSismondの名前が入っているのは気になるが、彼女から見れば、聖樹を救ってくれた一人には違いないのであろう。
そういえば、そのSismondはどこへ行ったのだろうか。私が目覚めて以降、一度も見かけていない。
彼女なら居場所を知っているだろうかと、Adamileの方に向き直ると──彼女の表情が微妙に曇っていることに気がついた。
何か別の問題でもあったのだろうか。

「苗木が力を取り戻した事で、ここから聖樹本体の意識であるGutaiとの接触が図れるはずなのですが──」

どうやら、聖樹に関わる任務はもう少し根が深そうな様相を呈してきたようである。
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2015年03月22日

【RoM】暗礁の胸騒ぎ・異聞 G

※ 諸 注 意 ※
この文章はRunes of Magic 5章プロットクエスト『暗礁の胸騒ぎ』のメルディンツンドラ以降のクエストを日本語訳(意訳)し、独自の解釈を加えて物語風にまとめてみた、いわゆる妄想の産物です。実際の内容とはかけ離れている事も多々ありますので、その点留意された上でご一読頂ければ幸いです。尚、性質上ネタバレを含みますのでご注意下さい。




8.旧友

Alahna Dikatはやはり、私とSismondの後を遠くから尾行していたらしい。私が呪いにより倒れた事を見ていた彼女はすぐにイッチーニと連絡を取り、意識を失った私を近くのBorapha Campへ運んだのだ。
その時私の手にはしっかりと聖樹の苗木が握りしめられており、Sismondも呪いを警戒したのか、それを奪う事はしていなかったようだ。
今、苗木は無事にAdamileの手に戻り、彼女は私とSismondに大変に感謝をしているようである。
人に呪いを触らせた男に感謝か──とも思ったが、考えてみれば今回聖樹の苗木を発見したのもSismondであり、そのまま奪わずにAdamileの元へ返してあげたのも、実質彼の考え一つではあったので、彼女があの不敵な男を認めてしまうのも仕方がないだろう。

イッチーニから現状の説明を聞きながら、私は次の行動を決めかねていた。
聖樹の苗木は無事手に入ったため、今回のミッションは完了である。しかし、どうやら苗木を通じての聖樹本体との意思疎通は未だに行えていないようだ。このままAdamileに協力して聖樹本体の問題の対応に当たるか、それとも──

「──その顔は、次に何をするか迷っている顔だな」

イッチーニがいたずらっぽく笑いながら、私の顔をのぞき込んだ。微かな香水の匂いが鼻をくすぐる。
性格が似たもの同士、考えはお見通しらしい。

「次の任務の前に──君の回復を待っていた古い友人がいる。まずは彼らに会いに行くと良い」




MerP011.jpg[Nynke]

「お久しぶり・・・ドラゴン使節」

Borapha Campの外郭で、焚き火もせずに平気で立っている男女の姿があった。
NynkeとKadmosである。
人の姿をしているが、彼らは真竜と呼ばれる純血のドラゴン族であり、今回の戦いにおける空中輸送部隊の中心的役割を担っている。但し今は空を飛ぶことが危険な状態であるため、地上の戦力として部隊を提供しているのだ。

「呪いの影響は・・・どうやら無いようですね。ただ、起きたばかりで本調子ではなさそう」

Nynkeの口角がわずかに上がったのを、私は見逃さなかった。
Kadmosは素知らぬ振りをして横を向いている。

「・・・ちょっと、出かけて運動してくる気はありませんか?綺麗な空気を吸って、頭をスッキリさせてきてください」


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2015年03月16日

【RoM】暗礁の胸騒ぎ・異聞 F

※ 諸 注 意 ※
この文章はRunes of Magic 5章プロットクエスト『暗礁の胸騒ぎ』のメルディンツンドラ以降のクエストを日本語訳(意訳)し、独自の解釈を加えて物語風にまとめてみた、いわゆる妄想の産物です。実際の内容とはかけ離れている事も多々ありますので、その点留意された上でご一読頂ければ幸いです。尚、性質上ネタバレを含みますのでご注意下さい。




7.記憶

MerP009.jpg
どろどろに溶けた溶岩が蜘蛛の巣のように、縦横無尽に流れている。分断された大地が赤黒い地肌を露出させ、かつてそこを彩っていた草木は消炭と化し、生物の気配はもはや感じられない。
この不毛な大地に─であるからこそ─一つの影が降り立っていた。
ゆらゆらと燃えている光に照らされ、影は次第にその輪郭を取り戻していく。
全身を板のような鱗に覆われた巨大な体、空を覆うように広がる2枚の羽。神話では何度も登場するが、竜の実物を見たのはこれが初めてであった。
竜は私をその背中に乗せ、空高く舞い上がった。瞬く間に離れていく大地を見ながら、私はある考えを巡らせていた。
この出会いが無かったら、私は今頃どこで何をしていただろうか

突然、場面が切り替わった。
周囲は闇に閉ざされ、自分の姿さえ確認することができない。先程とは逆に、どこまでも落ちていくような感覚が全身を支配する。
体を動かそうともがいてみたが、手足は強張り、動くことさえままならないのである。
目だけを下に向けると、闇の中に微かに蠢く何かがあった。それは黒く変色した、人間の



「──気が付かれたようですね」

聞き覚えのある声がして、私は我に返った。
どうやら夢を見ていたらしい。
上体を起こし、毛布の裾を握りしめ、全身が汗でびっしょり濡れている。

「騎士様、もう3日も眠り続けていたのですよ」

目の前で心配そうに私を見つめる女性は、Alahna Dikatであった。
頭の中にかかっていた靄が少しずつ晴れていく。と同時に、自分が何故ここにいるのか、自分の身に何があったのかをゆっくりと思い出していた。





Kentiaruの奥地、ルーンの力で動く無人のゴーレムが跋扈するガーディアンキャンプ。魔力を受信するためだろうか、幾何学的な模様の建造物がそこかしこに建てられ、青い稲妻のような光が所々で迸っている。
私と、先導のSismondはゴーレムに見つからないよう山の裏手を通りながら、目的の場所へ向かっていた。

「──ここだ」

Sismondは立ち止まり、ゆっくりと右手を指さした。その指の先を辿ると、荒れた土塊の中に、小さな緑色の芽のようなものが見える。
これが聖樹の苗木なのだろうか。随分と簡単に見つかったものだ・・・
しかし苗木を取ろうと一歩近づいた瞬間、やはり事態は簡単ではなかったと気付かされる。

MerP010.jpg

突如として地面が盛り上がり、苗木を囲むように死体の山が現れた。そしてその中心部から、目に見えるほどの禍々しい瘴気が噴出し始めたのだ。私は思わず飛び退いたが、その様子を見てSismondは不敵な笑みを浮かべた。

「貴様の探していた物はここにある──しかし不幸なことに、この死体の山を触媒として、Madetorhにより強力な呪いがかけられているのだ。貴様に勇気があるならば、その死体の山を掻き分け、聖樹の苗木を手にするがいい」

Adamileが聖樹と交信できなくなったのはこの呪いの力に他ならないだろう。仮に、彼女達が聖樹を見つけたとしても、これでは迂闊に手を出すことは出来ない。
Sismondは、やはり、「私に」この苗木を拾わせようとしているのだ。

──今にして思えば、私はここで引き返すこともできたかもしれない。Alahna Dikatと連携して、イッチーニとともにこの呪いを解く方法を考えるという手段もあったと思う。
だが、私はあえてSismondの挑発に乗り、聖樹の苗木に手を伸ばしたのだ。それは私のプライドがそうさせたのかもしれないし、或いは──

そして、苗木を握りしめた瞬間。
掌に激痛が走った。痛みはそのまま茨のように腕を締め付け、肩、そして全身に引き裂くような苦痛が襲いかかる。

──そうだ、私は聖樹の苗木に触れたことでMaderothの呪いにかかり、そのまま死ぬはずだったのだ。苗木を取り囲む死体の山はそうして出来たに違いない。であれば、Sisimond、奴は──

遠のいていく意識の中で、微かにSismondの声が聞こえた気がする。

「・・・やはり、貴様はその力に抵抗し得るのか。貴様の体に流れる特別な血の力・・・吾輩は貴様のご機嫌を取る必要を常に考えなければならないな・・・HAHAHA・・・」







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